
「初級者が使える」語根・接辞の学習本
本書における最大の特徴と言えるかもしれません。語根・接辞を利用した単語学習は、英単語同士の関連を意識するため、学習効果が極めて高く、英語学習の初級段階から取り入れられるべきだと考えます。
その一方で、これまでに市販されている類書は、全てと言ってよいほど、大学入試や検定試験を意識したものであり、初級学習者が使うにはあまりに難しいものばかりでした。その結果、中学高校では受験中心の丸暗記学習が一般的であり、語根・接辞に目を向けられるのは、ある程度以上に英語ができるようになった学習者だけであるという問題点がありました。
本書は、長年に渡る丸暗記学習の無駄を廃し、最初から効果の高いネットワーク学習に取り組めるよう、平均的な中学生や高校生でも利用できるように工夫が施されています。
語根と接辞を易しく紹介
語根や接辞を利用した学習本は、その性質上、扱う単語が難しいものとなる傾向にあります。類書が入試や検定試験対策向けに編集されるのは、その扱う単語の難しさから初級学習者を対象にできないからであると考えられます。本書は、語源学習の手法を英語の基礎作りの段階から利用することを目指したものであり、この点で類書とはその内容を異にするものとなっています。
語根と接辞の連携、相互参照を図る
類書では(これも扱う語の難しさに起因するのですが)語根と接辞の連絡を図ることが難しいように感じます。紹介されている単語は、それぞれ語根、接辞でまとめられているものの、扱われている単語自身は互いに無関係でした。また、相互の連絡を示すまでの工夫はどの本にも見られず、利用者に不便な面がありました。
一方、本書は、見開き2ページを一組とし、左ページで語根をもとに関連語を示し、右ページで関連語に用いられている接辞を1つ取り上げ、その接辞を用いた語を3語紹介するという方法をとっています。また、本書では、取り扱う語根・接辞の相互関連を参照するための工夫として、ジャンプ先、関連語、練習問題、簡潔な説明などが用意されています。さらに、単語間の関係も一目で理解できるように、基本語と関連語の関係を、系統樹の手法を用いて図式化しています。
用例および練習問題における工夫
本書では、取り上げた単語のすべてに用例を付しています。用例は、初級者が利用しやすいよう、語句レベルを中心とし、文例は少なく設定しています。また、用例や練習問題で使用する語句は初級者に無理のないもので、かつ、実用的なものを選んでおり、多少難しいかと思われる語にはヒントに類する付記があります。また、用例の翻訳および練習問題の答は次ページに送られており、単語学習の上で軽い負荷をかけてあります。
今から始めたい人にオススメ
以上の観点より、これから英語学習を始めたいと考えている人々にオススメします。英語学習は出口の見えないトンネルの中を歩き続けなければなりません。同じ時間を使うのであれば、楽しく、要領よく勉強を進めた方が良いですよね。入口は120項目しかなくて物足りなさを感じる学習者さんもいらっしゃるかもしれませんが、この120項目に目を通せば、今までに感じたことのない世界を体験できることでしょう。これを手に、ことばの冒険に出発してみませんか。
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